5月 03, 2017

NYの展示を終えて

NYでの展示を終えてから既に1ヶ月が経ちました。
帰国後すぐに始まった長谷川奈津展が終了し、ようやく落ち着いてきたので、NYでの展示を振り返ってみたいと思います。
NYで何かをしたいと思ったのが20年前。初めてアメリカを訪れ、インテリアショップで販売されていた日本のうつわを見た時の思いが今回NYの展示に繋がりました。ですが、この展示を行うまでには20年という月日が流れており、随分時間がかかったと思うと同時に、このくらいの年数が経っていなければ、私たちには無理だったのかもしれないと思う気持ちもあります(きっと私だけでしょう。。。)
20年前の私は若く、何を見ても新鮮で、NYの人たちやショップ、町並み、全てが自分の生活とはかけ離れていておしゃれに見えました。自分がすごく小さな存在に思えましたが、その時感じた自分のしたいこと、伝えたい事には確かな自信があったのも事実です。
20年後、ご縁があってNYのSohoという素晴らしい場所で展示が行えるとなった時も夢の中にいるような気持ちもありましたが、20年の間に積み上げてきたものが知らない間に自分の中では自信に繋がっていたようです。正直、行く前や現地での準備、レセプション、初めて会うお客様の対応、NYに一緒に行かれた作家さんの事、ヘンリービルトのスタッフ、通訳の方、色々な事に気を配りすぎて考える余裕がなく、ただ、目の前にあることを精一杯ひとつずつこなしていっただけのことに過ぎないのかもしれませんが、自分が普通にその場に立っていた事に自分自身が驚きました。長い間夢見た展示であったし、日本のものが受け入れられるのか、お客様の反応は?とあたふたする自分を想像していたのに、とても落ち着いている自分がいました。これは間違いなく20年の月日が私を成長させてくれたと思いますし、現地に行かれた作家さんと築き上げてきた信頼関係、また、内装を考えてくれたBEETSの日比野さんやDM、タペストリーの構成にかかわってくれた柴田さんをはじめ、影で支えてくれた素晴らしい方々の力を集結させて、妥協せず挑んだ展示だったからこそ、ネガティブな気持ちが出てくる事がなく自信を持って行う事が出来たんだと思います。
今回NYの展示で私自身が学んだ事は、現地に行ってその場の空気感を直接味わい、体験したことは目で見ただけの情報よりも何倍も深く深く心に刻まれるという事。またそれが自分を突き動かす原動力になるということ。今の時代は、インターネットにつなげば世界中の情報にアクセスが可能だし、何でも知っているかのような気持ちになる。何をするにも多種多様なやり方が存在し、自分の居場所が何処にでもありそうで、実は不安になっている人も多い気がします。私自身も、インターネットの普及で恩恵を受けている一人ですが、やはり最後はアナログ式で自分の五感を頼りに大切なものを見つけていきたいと改めて感じました。
NYの展示は私にとって大きな出来事でしたが、あくまで通過点であり、いつまでもここに留まらず、この経験を活かして次への展開を考えていきたいと思っています。。。

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